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Cloudy――朝焼けの空
こんにちは。此処はKの運営するブログです。ポケモン系なりきりチャット「カフェパーティ」を知らない方、なりちゃ成分に抵抗がある方はブラウザバックを推奨します。

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訓練の始まり(20110224夜)

大変遅くなりました…ユディーとラルドのSSです><
実は一晩だけですごめんなさい←











「ふわぁ~!;」
俺の背中で、同じリザードンのユディーが驚きにも似た息を吐き出した。暗い闇の中でもユディーの瞳には周囲の状況が把握出来ているらしい。
ごつごつとした岩肌が剥き出しの大地に幾つもの煌々と光る炎が存在する。それは俺達と同じリザードンの群れで、それぞれ眠っていたり、他のリザードンとお話していたりと銘々に楽しんでいるようだった。
「到着、だぜ」
群れの外れに降り立つと、背中には相変わらずあんぐりと口を開いたままのユディーが居た。
「…何をそんなに驚いている」
「Σあ、いやごめんっ!;」
再三の問いにようやくユディーが気付いたように俺の背中から飛び降りる。翼を改めて大きく引き伸ばし、ぐいっと背筋を縮めるようにストレッチ。結構な距離を飛んだが疲れはない。
ふと傍らのユディーを見下ろせば、初めて俺に声を掛けた時のように冷や汗をかいてぶるぶると震えていた。もう一度群れを見返すが、俺にとっては何も変わらない群れだ。巨大な狼やドラゴンが徘徊しているわけでもない、普通の光景だ。
「どうした?何か怖いのか?」
「皆、大きい…;」
ぽつり、と返された言葉はたったのそれだけだった。あぁ、とどこか納得したかのように俺は頷いた。
一般的なポケモン図鑑、とやらに記録されているリザードンの平均的な「たかさ」は1、7メートルだ。これがどんな数字かはわからないが、俺が見る限りユディーの「たかさ」はその平均を少々上回る体格のように思えた。
一方、霧を抜けたこちらの世界でのリザードンの標準体型は北央都市(旧七北、旧青葉)では3、4メートルと示されている。無論成長の度合いや個体による差が比較的大きいとの報告が出ているものの、此処に居るリザードンは戦士であるため、平均を上回る者が多い。
ユディーが少々大きな身体をしていたとしても、此処では見劣りしてしまうように感じるかもしれない。
「ま、そこまで緊張する必要はないだろう。此処に住むわけでも、戦士の一員となるわけでもないんだしな」
「…はい;」
緊張の解けない返事が伝わって来る。
まだ数時間の付き合いだが、ユディーはどこか臆病な性格に思える。だが、単純に臆病というわけではなく何かが違う気がしたのだ。その何かが何なのかはまだわからないが…。
俺はユディーを先導して今夜の寝床へと案内するために先導を始めた。
「ラルドさん…なんでこの世界のリザードンはこんなに大きいんですか?」
素朴な疑問だろう。俺もクロさんから話はよく聞いている。この世界に来た島の者はすぐにこの質問をするらしい。
「俺が好きでこの大きさになったわけじゃないからわからないが、原因として2つ挙げられる。1つは生態系の問題。もう1つは世界の大きさの問題じゃないかと言われている」
「言われている…?」
「研究してるのは、シロや島を知る数人のメンバーだけだからさ。…他のヤツはこの大きさが当たり前だと思ってるんだから」
あぁ、そっか。ユディーが納得したかのように頷いた。俺は続ける。
「生態系の問題ってのは…そっちではポケモンってのは大体が食物連鎖ってものの頂点に位置しているらしい。だからある程度数も絞られて、大きさも小さいのだとか言われている。一方のこっちはポケモンと同じくらい強い生物がうろうろしてる。だから種を絶やさないために強くなる…故にでかくなったんじゃないかと。それから、世界の大きさってのは簡単だな。単純にこの星を宇宙から見た時の大きさだ。でっけぇらしい。あと、最近じゃ平均気温が低いのも理由の1つらしい。それがでかいのとどう関係するのかは知らないけど」
「へぇ…?」
ユディーはわかったかわからないか微妙な表情だ。わからなくても仕方ない。教養の無い俺の説明なんてたかが知れている。
「ともかく、そういう理由だ。…登れるか?」
大きな岩肌を前に、軽く飛んでそれのてっぺんに飛び乗るが、振り返ってユディーの様子を見遣る。
「大丈夫、このくらいなら…」
ユディーも酷く不格好ながら翼で風を掴むと身体をふわりと舞い上がらせてこちらへとやって来た。少々勢いがつきすぎたユディーの身体をがっちりと抑えてやると、ユディーがこの世界に来て始めて微笑んだような気がした。
俺の寝床は小さな横穴……小さいと言っても俺が楽々入れる程度には大きな穴だ。そこでユディーと共に眠った。
ユディーはあの群れの中じゃ緊張して眠れないと言っていたので丁度よかったかもしれない。今日会ったばかりだというのに弟のように擦り寄って来るユディーは何処か憎めない存在だった。
彼の尻尾の炎に軽く手を翳してみる。リザードンにしかわからない実力の見分け方だ。
黒く光るその炎は翳すだけで伝わって来る暖かさと熱さがあった。

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年齢:
34
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男性
誕生日:
1990/04/05
職業:
大学生
趣味:
野球・ポケモン
自己紹介:
Kです。
いろいろ生真面目な事を書くと疲れると思うんで、箇条書きでいいですか?いいですよね。

・野球とポケモンが好きです。
・野球はキャッチャーやってました。ミットを持つと人間が変わるとよく言われます(笑
・ポケモンはラプラス、バクフーン、ラティオス辺りが好み。
・すごくカッコイイかすごくカワイイが好き(笑
・カフェパのプロフナンバーは4。
・芸能人の三浦春馬と全く同じ日に生まれる。雲泥の年収差があってちょっと泣ける←
・音楽も好きです。
・好きなバンドはBIGMAMAとBUMP OF CHICKEN。
・他にも色々ありますが、一番好きなのはこの2つ。


こんなやつです。仲良くしてやってください。
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