Cloudy――朝焼けの空
こんにちは。此処はKの運営するブログです。ポケモン系なりきりチャット「カフェパーティ」を知らない方、なりちゃ成分に抵抗がある方はブラウザバックを推奨します。
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眠りから覚めたのはどうやら明け方のようだった。
気付けば、布団に眠らされていた。見慣れない天井が飛び込んで来ると、反射的に身を起こした。
「シロ殿ですな?」
自分の名前が呼ばれ、振り返る。暗くてよく見えないがそこに居たのは初老の男性のようだった。
「え、はい…」
「手荒な真似をしてすまなかった。どうしても、貴殿に頼みたい事があっての…」
朧げな記憶を呼び戻すように数秒考える。
確か、僕は島に居て入り江で話をした後に霧へ帰ろうとしたんだ。だけど、そこで意識が遠くなって…。
「頼みたい事、ですか」
今更暴れても事は何も進展しないだろう。
幸いにも悪意は無いことを彼の心を読み取って察知したので、黙って彼の言うことを受け入れることにした。
「…こちらへ」
彼は立ち上がると外へ向かった。
真ん丸の月が1つ。月明かりで見えたその男にはシロも驚いた。
長い茶色の髪とほぼ同色の獣の耳が、左右に1つずつあった。
世界は広いとはいえ、シロの知る限りで頭にそのような獣の耳を付ける種族など知りはしない。
「耳…」
あまりの驚きに小声を挟むと、初老の男が振り返る。
「驚かせましたかな。…我々の種族はそれぞれこのような耳、そして…」
彼が軽く下を見遣れば、シロもそれに釣られるように見遣った。
男の腰からは、すらりと伸びた細身の尻尾が生えていた。耳と同じで茶色く、作り物ではないと解るのはそれがシロの瞳にはしっかりと揺れて映ったからだ。
「白夜の夜での月明かりでないと、正しいものと認識できなかったかもしれませぬ」
「いえ、そんな事は…」
嘘をつかなくてもいい、そんな意味を込めて彼は首を左右に振る。
「私が貴方をお連れしたこの世界は、そもそも貴方が生まれ育った世界ではないのです」
世界を飛び越えて別の世界に来てしまった。それは島に居るとよくある話なので気にするほどの事でも無いと思うし、さして驚かなかった。
しかし、驚いたのは彼の口から飛び出した次の言葉であった。
「…言い伝えにはこうあります。『世界を越えやって来た若人、その名を刻み白夜と共に我等一族と同じ姿へ変化するだろう』と。」
「それは、僕でしょうか」
「どうやら、そのようですな。…自分の腰を見てみなさい」
まさか、と思った。信じられない、と目を疑った。
その腰には確かに尻尾が生えていた。真っ白で、すらりと伸びた細身の尻尾。試しに意識して動かそうと試みると、かなり楽に動いてしまう。どうやら既に身体の一部と化してしまっているようだった。
「まさか…!」
耳のあるべき位置に手をやった。普段の耳の感触とは違う、やわらかく、大きなそれが触れた。自分で触っておきながらくすぐったくも思う。
庭先に池があったので、そこへと裸足で駆ける。
1つ、深呼吸してから覗き込んだ。
「あ、あぁ…!?」
もう1つの月が浮かぶ硝子のような池に映ったのは、見慣れない耳を持つ自分の顔だった。
気付けば、布団に眠らされていた。見慣れない天井が飛び込んで来ると、反射的に身を起こした。
「シロ殿ですな?」
自分の名前が呼ばれ、振り返る。暗くてよく見えないがそこに居たのは初老の男性のようだった。
「え、はい…」
「手荒な真似をしてすまなかった。どうしても、貴殿に頼みたい事があっての…」
朧げな記憶を呼び戻すように数秒考える。
確か、僕は島に居て入り江で話をした後に霧へ帰ろうとしたんだ。だけど、そこで意識が遠くなって…。
「頼みたい事、ですか」
今更暴れても事は何も進展しないだろう。
幸いにも悪意は無いことを彼の心を読み取って察知したので、黙って彼の言うことを受け入れることにした。
「…こちらへ」
彼は立ち上がると外へ向かった。
真ん丸の月が1つ。月明かりで見えたその男にはシロも驚いた。
長い茶色の髪とほぼ同色の獣の耳が、左右に1つずつあった。
世界は広いとはいえ、シロの知る限りで頭にそのような獣の耳を付ける種族など知りはしない。
「耳…」
あまりの驚きに小声を挟むと、初老の男が振り返る。
「驚かせましたかな。…我々の種族はそれぞれこのような耳、そして…」
彼が軽く下を見遣れば、シロもそれに釣られるように見遣った。
男の腰からは、すらりと伸びた細身の尻尾が生えていた。耳と同じで茶色く、作り物ではないと解るのはそれがシロの瞳にはしっかりと揺れて映ったからだ。
「白夜の夜での月明かりでないと、正しいものと認識できなかったかもしれませぬ」
「いえ、そんな事は…」
嘘をつかなくてもいい、そんな意味を込めて彼は首を左右に振る。
「私が貴方をお連れしたこの世界は、そもそも貴方が生まれ育った世界ではないのです」
世界を飛び越えて別の世界に来てしまった。それは島に居るとよくある話なので気にするほどの事でも無いと思うし、さして驚かなかった。
しかし、驚いたのは彼の口から飛び出した次の言葉であった。
「…言い伝えにはこうあります。『世界を越えやって来た若人、その名を刻み白夜と共に我等一族と同じ姿へ変化するだろう』と。」
「それは、僕でしょうか」
「どうやら、そのようですな。…自分の腰を見てみなさい」
まさか、と思った。信じられない、と目を疑った。
その腰には確かに尻尾が生えていた。真っ白で、すらりと伸びた細身の尻尾。試しに意識して動かそうと試みると、かなり楽に動いてしまう。どうやら既に身体の一部と化してしまっているようだった。
「まさか…!」
耳のあるべき位置に手をやった。普段の耳の感触とは違う、やわらかく、大きなそれが触れた。自分で触っておきながらくすぐったくも思う。
庭先に池があったので、そこへと裸足で駆ける。
1つ、深呼吸してから覗き込んだ。
「あ、あぁ…!?」
もう1つの月が浮かぶ硝子のような池に映ったのは、見慣れない耳を持つ自分の顔だった。
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K
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1990/04/05
職業:
大学生
趣味:
野球・ポケモン
自己紹介:
Kです。
いろいろ生真面目な事を書くと疲れると思うんで、箇条書きでいいですか?いいですよね。
・野球とポケモンが好きです。
・野球はキャッチャーやってました。ミットを持つと人間が変わるとよく言われます(笑
・ポケモンはラプラス、バクフーン、ラティオス辺りが好み。
・すごくカッコイイかすごくカワイイが好き(笑
・カフェパのプロフナンバーは4。
・芸能人の三浦春馬と全く同じ日に生まれる。雲泥の年収差があってちょっと泣ける←
・音楽も好きです。
・好きなバンドはBIGMAMAとBUMP OF CHICKEN。
・他にも色々ありますが、一番好きなのはこの2つ。
こんなやつです。仲良くしてやってください。
いろいろ生真面目な事を書くと疲れると思うんで、箇条書きでいいですか?いいですよね。
・野球とポケモンが好きです。
・野球はキャッチャーやってました。ミットを持つと人間が変わるとよく言われます(笑
・ポケモンはラプラス、バクフーン、ラティオス辺りが好み。
・すごくカッコイイかすごくカワイイが好き(笑
・カフェパのプロフナンバーは4。
・芸能人の三浦春馬と全く同じ日に生まれる。雲泥の年収差があってちょっと泣ける←
・音楽も好きです。
・好きなバンドはBIGMAMAとBUMP OF CHICKEN。
・他にも色々ありますが、一番好きなのはこの2つ。
こんなやつです。仲良くしてやってください。
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